進化するワークプレイスに柔軟なシステム

Selldorf Architects へのインタビュー

Selldorf Architectsは、世界的に有名な現代アートギャラリーを運営するDavid Zwirner(デヴィッド・ツヴィルナー)のニューヨーク本社のリノベーションを手掛けました。このリノベーションにあたり、建築家として何を重視したのか、なぜヴィトラ製品を取り入れたのか、そしてCOVID-19のパンデミック以降、彼らの仕事がどのように変わったのか、インタビューしました。

David Zwirnerのためにデザインした空間のコンセプトについて教えていただけますか?

私たちは、David Zwirnerのために、特別で、フレキシブルかつ快適に働ける環境を作りたいと考えていました。各フロアには、同僚と気軽に交流したり、プライバシーを確保でき、新鮮な空気を取り入れることができる、誰でも利用可能なエリアを作りました。オープンプランのレイアウトは、コミュニケーションとコラボレーションを促進する目的でデザインされ、部署間の繋がりを深めることができます。南向きの床から天井まである大きな窓と、北向きのレンガ造りの壁に配されたアーチ型の窓からは、豊かな自然光が差し込み、ハイライン、ハドソン川など、チェルシーの景観を一日中眺めることができます。

家具に関してはどのようなチャレンジがありましたか?

現代アートギャラリーの本社には、一般的なオフィスやワークプレイスにはない、独自のシステムが必要でした。オープンプランの環境の中で、展示企画、調査、オンライン販売まで幅広い部署それぞれのニーズの変化に対応できるシステムを探していた私たちにとって、ヴィトラが開発した「コンマ」がまさに答えでした。コンマは、各部門の作業進行に合わせて、柔軟にシステムの形態を組み替えながら使うことができます。

「コンマ」を選んだのは、機能性という理由だけでしょうか?

機能性だけが理由ではありません。「 コンマ」は適応性に優れているだけでなく、自らカスタマイズできるモジュール式のデザインが、従業員に、クリエイティビティと遊び心をもたらしてくれます。これが特に心を惹かれた点です。ギャラリーを運営する会社や従業員にとって、クリーンで美しい空間でありながらも、企業文化を反映した魅力的な空間を作り出すことが重要かつ不可欠と考えました。

オフィスはどのように進化していると思いますか?また、オフィスに必要とされる条件とは何でしょうか?

David Zwirnerの新しい本社は、デザインを通じて幸福度を高めることに焦点を当てました。パンデミックを経て変わりゆく働く環境と働き方に対応するために最も必要とされるであろうことを表現しました。コラボレーション、心地良さ、フレキシブルさといった、仕事のために必要なエリアだけでなく、屋外スペースへのアクセスも今後も重要になると信じています。

柔軟な解決策になりうる「コンマ」のような製品は、これからのオフィスや公共空間においてどのような役割を果たすと思いますか?

柔軟性の高い家具は、幅広い要件に対峙するデザイナーのニーズに応えてくれるため、ワークプレイスのデザインにおいてますます重要な役割を果たすようになるでしょう。テクノロジーの進化、仕事の種類や性質の変化に伴い、企業もまた「場」に求める要素を見直し、設計者には、その空間や敷地をクリエイティブに最大限活用する提案が求められています。

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Publication Date: 15.02.2024
Images: © Vitra

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